自分を発掘するということ

こんにちは。

 

僕の地元は広島なので地元は25年ぶりの広島東洋カープのリーグ優勝に盛り上がっています。(そろそろさめたかな?)

広島というのは非常に温かい町で、十余年Bクラスの間も25年間優勝を待ち続けて応援してきたという人も他の球団と比べ多いでしょうし、優勝が決まった夜は、本通りで行きかう人がハイタッチして歩いて行ったそうです。つくづく広島県民に生まれてよかったと思います。来年からは最低年に1回はカープの試合を球場に応援しに行きたいと思っております。

 

さて、最近僕が思っていることがあります。

 

人間としての魅力についてです。

人間としての魅力というのは、わかりやすく言うと、音楽におけるグルーブみたいなものだと思います。音楽では、音程(ピッチ)やリズム(テンポや拍にはまっているかなど)のような要素は正しいか正しくないかきちんと測れると思います。しかし、グルーブというものはひとそれぞれ感じ方は違うし、計測できない。しかし、グルーブ感というのは、正しい音程や良いリズム感に基づいているといわれます。そのなかでのわずかなずれ、ゆらぎが心地良い音楽をもたらすのです。いわば、型を習得してから、型を崩すようなものです。

と、説明が長くなりましたが、本題に移ります。

人間としての魅力は、ではどうやったら表れるのか。

ぼくは、その要素として、深さと広さが挙げられると思います。

よくT字型人間になろうとかいうアレです。

僕は、最近面白い発見をしました。自分の中に、新しい自分を発見したのです。それも今までの自分と正反対な自分を発見しました。発見というか発掘したと言ったほうがイメージに近い気もします。

僕は、この文章からもお分かりいただける通り、性格として硬めで、冷静沈着、メンタルも強い人間だと思っていました。好き、という感情で行動するのではなく、やるべき、shouldやmustの気持ちに突き動かされる人間でした。

しかし、そんな僕に愛する人ができました。

すると、今まで感じたことのなかった、というより今まで感じていることに気づかなかったのかもしれません、寂しいとか甘えたいのような感情が生まれてきたのです。ロボットに感情が芽生えたときこんな感触なのかなあという感じでした(大げさです)

それ以来、自分の中に広がりを感じています。常に自分には、表出している自分と正反対の自分も自分の中に存在している感覚があります。

これが、高校時代から自分の目指していたアウフヘーベンだったのだと思います。

アウフヘーベンとは、Google先生によると、

あるものを、そのものとしては否定しながら、更に高い段階で生かすこと。矛盾するものを更に高い段階で統一し解決すること。

あるひとつの命題(テーゼ)と、それに反対・矛盾する反命題(アンチテーゼ)との二つの相反する命題を、互いに否定しつつも生かして統合し、より高次元の段階である総合命題(ジンテーゼ)を導くこと。」(はてなキーワード

 

人間の場合で考えてみると、例えば、周りからは非常に明るい人間だと思われている人が、実は心の中では自分を否定してばかりの暗い人間だったとします。この場合、表出している明るい自分がテーゼ、内面で隠し持っている暗い自分がアンチテーゼ、暗い自分は外で振舞う明るい自分が嫌いだし、明るい自分は、暗い自分が嫌いだから、明るく振舞っているのです。このようにお互いに否定しあいながら、魅力のある人間になっているのです。

 

僕は、このアウフヘーベンの中から広さと深さが生まれると考えています。したがって、その人の中で起こっているアウフヘーベンの質(葛藤の深さと葛藤解決の幅)と回数で人間のグルーブ感は生まれると考えます。

 

僕は最近自分で自分が面白いと思うようになりました。面白いといってもfunnyじゃなくinterestingのほうです(この"面白い"議論は垢が付いているので行いたくありませんが)

なぜなら、表出している自分の姿には、必ずそれと対立する自分の姿が自分の中に隠れているからです。その対応はまるで、日中の人間について回る陰のようです。それは何かがきっかけでひょいと発掘されます。それが非常に面白いです。

 

自分にはまだまだ未発掘の自分がいますし、こんどは自分が知らぬ間に新たな自分が埋められているかもしれません。

これを発掘していく作業はかなり時間がかかると思います。しかし、長い時間眠っているからこそ発掘したときに非常に魅力のある要素になっているのではないでしょうか。化石だって、ただの死骸なのに長い年月があれだけ魅力的なものにしてくれますし、タイムカプセルだって(外山滋比古先生の言い方をすれば)Mr.Old Timeが魅力をましてくれるのです。

 

自分を発掘するということは、人生の醍醐味ではないでしょうか。